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当店では、牛タンを月間平均およそ3トンほど加工しています。
ほとんどがアメリカ産やオーストラリア産で、国産牛タンは本当にごくわずか。
なぜ国産が少ないのか、これは私の個人的な推測ですが――
牛のホルモンは基本的に「一腹単位」販売されるからだと思います。
この一腹にタンも含まれます。
(一部でパーツごとの販売してくれる問屋さんもありますが、
この一腹をばらして販売しているので割高になってしまいますし、タンのような人気部位は紐ずいていることが多いので、入手困難です。)
だからタンだけ単品で仕入れるのが難しく、他の内臓肉もまとめて仕入れなければならない。
仕入れたからには売り切らないといけない。
でも、そんなに簡単にさばけるわけじゃない。
だからこそ、国産牛タンが売り場に並ぶのは一部の老舗のホルモン屋さん(内臓目当てのお客様がしっかりついている)店だけ…
そんな状況なんだと思います。
また、この内臓セットも現在供給量が少ないです。普段扱いの内お店で仕入れようとすると、キャンセル待ちのような状態でしか買うことができません。
キャンセルがでて運よく買うことができたら、ここから別の問題との闘いです。
賞味期限内に売り切ることはほぼできません。
なぜなら普段から売ってないので、お客さんがついていないので。
ってことで見切り処分の連発、赤字のアイテムとなります。
お客さんがつくまで我慢して続けられればいいのですが、そこは精肉部門の担当者もサラリーマン。悪い数字を毎月計上するわけにはいきません。
このような理由が絡み合い、国産の牛タンを目にする機会はほんとに少ないと思います。
で、なぜ輸入牛タンは多いのか?
答えは簡単で、外国では
「タンを食べる文化がほとんどなかった」
からです。
昔は捨てられていたような部位を、仙台の人たちがうまくブランド化し、名物に育てたんですね。
ところが最近、外国の方々もタンのおいしさに気づき始め、自国での消費が増加。それに伴い価格が上昇し、さらにコロナ禍での供給不足、為替の影響も重なり、ここ数年ずーっと値上がりが続いています。
…と、少し話がそれましたが(笑)、なぜ私が「国産牛タン」にこだわるのか。
タンに限らずですが、国産品を選ぶことは、日本の食料自給率を少しでも上げることにつながります。
農家さんがちゃんと儲かる産業になれば、若い人たちも「やりたい」と思える仕事になるはず。
私たち加工・販売する側としても、そうした国産畜産を応援したい気持ちが強いんです。
そして、こうした生産してくれる人がいないと、そもそも私たちの商売は成り立ちません。
もちろん、買ってくださるお客様がいなければ同じこと。
「作る人」「加工・販売する人」「食べてくれる人」――この3つが揃ってこそ、ひとつのチームとして成り立つんじゃないかなと思っています。
…とはいえ、現実は厳しいですよね。
なんでもかんでも値上げ、増税、給料が少し上がっても税金で持っていかれる…。
結果として「毎日の食事で節約しよう」「安い輸入品を買おう」
という流れになりがちです。
為替の影響で一時は「輸入品も高くなったな」なんて思った瞬間もありましたが、
国産の値上がりがすごすぎて、やっぱり輸入品の方が安いという状況に戻っています。
それでも、私は国産牛タンをお届けしたい。
そんな思いで――
「国産牛タン 丸ごと1本」ただいま販売準備中です!
詳細はもう少しお待ちくださいね。お楽しみに!